映像翻訳と言えば、映画やドラマのセリフを翻訳する仕事と浮かぶでしょう。
確かにそうなんですけど、ただ翻訳するだけではなくて、視聴者が映像を楽しむために字幕が邪魔をしないようにイロイロな決まりがあります。
その最たるものが字数制限です。
まず、1秒4文字までという決まりがあります。
これが映像を邪魔せずに文字を読むことができるめいいっぱいの量らしいのです。
さらに、1回に表示する字幕は28文字(1行14文字×2行)まで。
これは、字幕製作会社やその時々のクライアントによって多少の前後はあるらしいけど、基本的にはこの数字らしいのです。
あくまでも秒数で字幕が決まるから、早口のセリフだったら実際に話している量の割には字幕にできるのは少ない文字数になってしまいます。そこをいかにストーリーの流れを壊さないように、大切な内容は残すように字幕にするかが腕の見せ所、というわけですね。
イマドキは学校でミッチリ英語教育があるから、映画やドラマのセリフの中には自分で聞いてなんとなく理解できる人も多くいると思います。「あ、今の字幕間違ってる!」なんて物言いする人の声を時々耳にします。本当に間違っている場合は論外だけれど、ほとんどの場合は間違って訳しているわけではなくて、限られた字数の中でストーリーの流れを考えて作られた字幕だと思います。
たとえば簡単な例にすると、
I'll be right back.というセリフがあります。
直訳すると「すぐに戻る」という意味ですが、最近見たドラマでは「待ってて」という字幕がつけられていました。
これは間違って訳したわけではありません。話者が伝えたかったのは「待ってて欲しい」ということをくみ取った上での字幕だったのです。
だから、最近の私は海外ドラマや映画を見ていてこういう字幕に出会うと「なるほど!」と関心することが多くなりました。
奥が深い映像翻訳。
講座が始まったばかりだけれど、楽しいです。
posted by エリ at 16:08| 北海道 ☔|
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目指せ!字幕翻訳者
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