英語での事前打ち合わせを頼まれた私も多忙な毎日を送ることになりました。本来の業務を終えたあとに何本も英文メールを打ち、滞在にかかる料金明細を英語で作ったりと慣れない英単語とも格闘しながらの日々でした。時には、電話もしましたが普段しないような会話を英語ですることになったので、難しかったです。時差があったことも、打ち合わせを難しくさせていました。
サミットが始まってからは、実際に対面で打ち合わせをしたり、緊急事態が発生すると呼び出されたため、すっ飛んで駆けつけて通訳者もどきのようなことをしたりと、まさに走りまわっていました。
本当に忙しかったです。うちのホテルは驚くほどサミットに力を入れていなかったため、サミットチームは私含めてたったの3人。英語を話せるのは私のみ。3人で事前の準備をしていたうえに、周りの協力体制はゼロに近かったため、さらに忙しかったし、大変だったのでした。
大変だったけれど、終わってしまえばとても良い経験をさせてもらえたとうれしく思っています。北海道にG8サミットが来ることなんてこの先再びあるかわかりません。こんな貴重なサミットに関わることができたのですから。
札幌のホテルなので英語を話せるスタッフは他にもいます。それでも、立派なTOEICスコアを取得していたおかげでサミットチームに入れてもらえたのです。それから、英語の文章を書く勉強(文法の勉強)をしていたことも、私の英語の評価を高くしていました。英語を"話すこと"ができても、きちんとした英文を"書くこと"ができるスタッフはとても少ないのです。
自分の書く英文に100%自信を持っているわけではないけれど、それでも勉強していることはとても役に立っていました。
書きながら、今更思いました。
"英語を使う仕事"を探す上で、きちんとした英語を書くことができればとても重宝がられます。繰り返しになりますが、うちのホテルだけを見ると、ある程度のお決まりのフォーマットで、きちんとした英文をかけるスタッフってとても少ないんです。
どの程度の"英会話"レベルがあるかがよく問われますよね。会話。もちろん会話ができることは力になるけれど、英語を話せる人が増えている中では、英語の文章を書くことができればある意味"プラスアルファ"の力になるんですね。
洞爺湖サミットでの英文メール送信をやり遂げたおかげか、他部署からも英文メールの返信を何度か頼まれることになりました。いづれも同じ相手へのメール送信だったのですが、1度目に送った英文が好感を得たらしかったのでした。勉強してきたことが、ビジネスで生かすことができているうえに、褒めてもらえてとてもうれしかったです。勉強してきた甲斐があった瞬間でした。
少なからず英語を使える仕事だったし、おかげ上司にお目をかけてもらえていたありがたい職場だったのですが、10か月足らずという短さで転職を決意してしまいました。
つづく